第265章

 だが、望月時也は鼻で笑った。「悪夢を見て馬鹿になったんじゃないのか。前田南が戻ってくるわけないだろう?忘れたのか、あいつの足にはロープまで縛り付けておいたんだ。万が一、幸運にも抜け出せたとしても、あの果てしない海原で、前田南がどれだけ凄かろうと、一人で泳いで脱出できると思うか?」

 その言葉を聞いて、望月寧々はほっと息をついた。「あなたの言うことにも一理あるわね。私が焦りすぎてた。前田南はあんな状態だったんだもの、絶対に逃げられるはずがないわ」

「ああ」

 望月時也は淡々と応じる。

 望月寧々はまた不安げに言った。「でも、どうであれ、もう少し注意しておかないと。もし叔父さんが嗅ぎつ...

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